【自動車の二重譲渡】同じ自動車を2人に販売!?【軽自動車、バイクはどうなの!?】

同じ車を2人に売却したしまった場合、法律的にはその所有権は、どちらにあるのか。

普通に考えれば、先に買った人に所有権が認められると思うのですが。。。

 

 

 

法律はどうなっている!?

売主が一つの物を2人に売る約束をしてしまった場合のことを規律しているのは民法になります。民法は,物を不動産(土地,建物)であるか動産であるかで,場合分けをしています

 

不動産

まず,不動産は,登記した人が優先するということになっています。登記とは法務局がある不動産の所有者を公にしてくれる制度です。この登記は誰でも閲覧することが可能ですので,不動産を購入する人は売主が本当に所有者であるか確認した上購入することができるのです。さらに,真の所有者ではないものの登記上の売主から購入した人は,真の所有者に対して,自分の所有権を主張できるのです(例外はありますが。。)。このように,登記という制度は不動産取引の安全のための制度といえます。

そして,民法は登記をした人が優先すると定めているので(民法177条),後で不動産を購入した人であっても,先に登記をしてしまえば,優先することになるのです。

 

動産

他方,動産は,不動産のように登記という制度がありません。そのため,現に所持しているという外観自体を重視して,最初に引渡を受けた人が優先すると定めています(民法178条)。

では,自動車はどうなるのか。自動車は,不動産ではないので,動産の条文が適用されることになりそうです。

しかし,自動車は,道路運送車両法によって,特別な規定があるのです。

(道路運送車両法)

 第5条  登録を受けた自動車の所有権の得喪は、登録を受けなければ、第三者に対抗することができない。

軽自動車,バイクは異なる

ここで,やっかいなのが,軽自動車とバイクは,道路運送車両法による対象とはなっていません

それは,先ほどの一つ前の条文で定められています。

第4条  自動車(軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除く。)は、自動車登録ファイルに登録を受けたものでなければ、これを運行の用に供してはならない。

この条文において,自動車とは軽自動車等を除くと定められているので,軽自動車等は第5条も適用とならないのです。

そうすると,軽自動車等は,普通の動産と同じく,「引渡し」を受けることが重要となってきます。

なぜ,自動車と軽自動車等は違うのでしょうか。これはやはり金額の問題なんでしょうね。

軽自動車やバイクだと通常はそこまで高額とはならないから,所有者を公にしてくれるサービスまではしてくれないのでしょう。

軽自動車の検査証は,第三者の閲覧は困難ですし,ここでも普通自動車との違いがあります。

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